倉庫はA社、運送はB社、流通加工はC社。この形と、まとめて一社に任せる形とで、物流費はどう変わるのか。見積書に並ぶ金額だけを足しても、答えは出てきません。
見積書に載る費用は、実は比べやすい
保管料、入出庫料、運賃、加工費。この4つは単価が明示されるので、相見積もりを取れば比較できます。個別に発注したほうが安く見えることも珍しくありません。専門特化した会社がそれぞれの工程で最安値を出してくるためです。
ここで比較を止めると、個別委託が有利という結論になります。実際に差が出るのは、この先です。
差が出るのは、工程と工程の「間」
倉庫から加工先へ運ぶ移動、加工先から出荷拠点へ戻す移動。工程が別々の会社にあると、その間に運賃が発生します。いわゆる横持ちです。これは各社の見積書には載りません。自社が別途支払う運賃として、別の伝票に紛れます。
もうひとつは、社内の調整時間です。入庫予定を倉庫会社に伝え、加工の仕様を加工会社に伝え、出荷日を運送会社に伝える。トラブルが起きたときは、どこで止まっているのかを自社が特定しなければなりません。この時間は物流費として計上されないまま、担当者の工数として消えていきます。
一括にすると消える手間、残る手間
窓口が一本になると、工程間の引き継ぎは委託先の内部作業になります。横持ちの一部は拠点内の移動に変わり、運賃として発生しなくなります。トラブル時の一次切り分けも、委託先側で行われます。
一方で消えない手間もあります。商品情報の整備、出荷予定の共有、在庫責任の所在。これらは誰に頼んでも自社に残る仕事です。「一括にすれば全部なくなる」と考えると、期待とずれます。
一括が向かないケースもある
特定の工程に高い専門性が必要な場合や、すでに特定の会社と深い運用を作り込んでいる場合は、無理にまとめる必要はありません。委託先を変えること自体にも移行コストがかかります。
現実的には、全部を一度にまとめるのではなく、隣り合う工程から順に寄せていく進め方が取りやすい形です。倉庫と加工、あるいは加工と出荷。移動が発生している境目から手を付けると、効果が見えやすくなります。
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