EC物流の委託範囲に「正解」はありません。同じ出荷件数でも、商品特性と体制によって最適な線引きは変わります。ここでは判断のための3つの軸を紹介します。
軸1:出荷件数の波
月内・年内の波が大きいほど、外部化の効果は大きくなります。セールやテレビ露出で件数が数倍になる商材を自社出荷で回そうとすると、ピークに合わせた人員を常時抱えることになります。
逆に、毎日ほぼ同じ件数が安定して出ている場合は、自社で回したほうが単価を抑えられることもあります。まずは直近1年の日次出荷件数を並べて、山と谷の比率を見てください。
軸2:同梱物とラッピングの複雑さ
「注文金額によって同梱するチラシを変える」「初回購入者だけ手紙を入れる」といった分岐が多いほど、委託時のルール設計に手間がかかります。ただし、これは委託できないという意味ではありません。分岐が明文化できていれば対応可能な範囲です。
問題になるのは、分岐がスタッフの頭の中にしかない場合です。この場合は、外に出す前に「誰が見ても同じ判断ができる状態」に整理する工程が必要になります。
軸3:問い合わせ対応との距離
「発送はまだですか」「別の色に変更したい」といった問い合わせは、出荷状況が見えないと答えられません。委託先の在庫・出荷データをリアルタイムに近い形で参照できるかどうかで、カスタマー対応の負荷が変わります。
受注管理まで含めて任せるか、出荷だけ任せて受注は自社で持つか。この線引きは、問い合わせ対応を誰がやるかとセットで決めるのが自然です。
段階的に広げるという選択
いきなり全部を移すのではなく、まず定番商品だけ、まず繁忙期だけ、という形で始める方法もあります。実際の運用を見てから範囲を広げるほうが、想定外の齟齬に気づきやすくなります。
関連するサービス
本記事のテーマに関わる業務は、フルフィルメント/EC支援のページでご案内しています。個別のご相談も承っております。