設備を持たずにものづくりを進める形は、単に外注が増えるという話ではありません。固定費と変動費の比率が変わるため、利益の出方そのものが変わります。
固定費が、変動費に置き換わる
自社で製造設備と人員を抱えると、生産量にかかわらず費用が発生します。稼働していない月も、償却費と人件費は動きません。
製造を委託すると、この部分は生産量に応じた費用になります。作らなければ発生しない構造です。この違いが、経営上の意味を持ちます。
損益分岐点が下がる
固定費が小さいほど、売上が少ない局面でも赤字になりにくくなります。新商品の立ち上げや、季節変動の大きい商材では、この差が効いてきます。
一方で、生産量が十分に大きくなると話は逆転します。自社製造のほうが1個あたりの原価は下がるためです。どこで逆転するかは、委託単価と設備投資額の関係で決まります。試算しておく価値のある数字です。
変わらないのは、企画と販売
製造を任せても、何を作るかを決めるのは自社です。売り方を設計するのも自社です。この2つは外注できません。
むしろ設備の維持に割いていた時間と資金を、企画と販売に振り向けられるかどうかが、この形を選ぶ意味を決めます。持たないこと自体が目的になると、単にコストが変わっただけで終わります。
持たない代わりに、決める力が要る
設備がないぶん、仕様の詰めと品質基準の設定は自社が主導する必要があります。委託先に任せきりにすると、出来上がってから想定と違うことに気づきます。
ロットの決め方についてはOEMの「ロット設計」で失敗しないコツ、考え方の全体像は「物流のファブレス」とは何かで整理しています。
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